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2年前わたしは会社をやめた。8年間わたしなりにがんばった。
なんかちがう、なんかちがう
と毎日感じるようになり、辞めることにした。今は事務のアルバイトと
家で義理の母の経営するお店の仕事をチョコチョコ手伝っている。
退職と同時にいまの家に引っ越したのだが、今は近所のおばあちゃんと
仲良しで庭でとれた野菜をもらったり、お茶をのんでおばあちゃんの手料理
なんかを頂いたりして、まったりとすごすことも多い。
昨日はおばあちゃんがお友達の家に行きたいというので、車で送迎した。
お友達は午後二時半までお昼寝するので、それから来てほしいと約束している
ようで、三時に迎えにいった。 そしたらおばあちゃんから普段はいているズボン
をだしてきてゴムを入れ替えてほしい、と頼まれた。ズボン3本だ。
送迎の車のなかでズボンできたら、庭のニラをあげるからお茶のみにがてら
おいでよ。と言われた。お茶のお誘いだ。仕事の合間をみてうかがうつもりだ。
夕方に父がふいにおとずれて、庭の山ウドの芽が出たか?と尋ねられた。
先週からうちの庭の山ウドが気になってしょうがない父がもみ殻をもって
山ウドの手入れにおとずれた。
一緒に枝を片付けたり、このあいだ植えたジャガイモは種芋じゃなかった
つけている去年の日記を読んだら、去年のは園芸店でかった種芋だったから
植えたジャガイモが心配だとか、兄の子が4月から通い始めた幼稚園のバス
に乗るときに泣いてこまる。とか立ち話して帰って行った。
以前の仕事していた時には想像もつかない毎日。なんのへんてつもない毎日。
バリバリ働いて育児に家事にこなしている時になんかちがう、なんかちがう、
と感じた私の感覚は間違いじゃない、しっくりくるんだ。こっちの方が。
庭の杏や梅の花はあっという間に散った。5月も末になれば果実の仕込み
に大忙しの自分にニヤリとしてしまうんだろう、きっと。